2013年7月3日水曜日

産経新聞:慈恵医大の論文でも不正、論文撤回へ ノ社元社員の関与示唆

【降圧剤データ操作問題】
慈恵医大の論文でも不正、論文撤回へ ノ社元社員の関与示唆

2013.7.30 19:11
 製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)が販売する高血圧治療の降圧剤「ディオバン」(一般名・バルサルタン)を使った臨床研究のデータ操作問題で、東京慈恵医大は30日、望月正武客員教授(71)が発表した論文の血圧値のデータにカルテの記載と異なるものがあり、人為的な操作が加えられていたとする調査委員会の中間報告を明らかにした。ディオバンの臨床研究に関する論文でデータ操作が確認されたのは、京都府立医大に続いて2件目。
 望月氏は「重大な疑念を生じさせたことにより、患者をはじめ皆様に多大な心配と迷惑をかけたことを深くおわびする」と謝罪し、英医学誌ランセットに掲載した論文の撤回を申し出るとする文書を発表した。
 調査委は、操作はデータの解析段階で行われたと分析した上で、「解析はノ社の元社員に全面的に委ねられていた」と結論づけており、元社員の不正への関与を強く示唆した。
 報告によると、カルテでは、ディオバンを投与していた患者の方が未投与の患者より血圧が低かったが、論文では両者の間に血圧の差がなくなるよう操作されていた。論文はディオバンが他の降圧剤に比べ脳卒中や狭心症などの予防に有効だと結論づけているが、こうした効果が血圧の高低で生じたと思われないようにした可能性があるという。
 調査委は元社員に対する聴取も実施。元社員は「データ操作に思い当たることはなく、自分は関係していない」などと説明したが、調査委は元社員の供述は信用できないと判断した。

0 件のコメント:

コメントを投稿