2013年7月5日金曜日

大阪市立大学: 「Kyoto Heart Study等の論文共著者に関する調査報告書」を公表します

2013年08月22日掲載


大阪市立大学では、製薬会社ノバルティスファーマ社の高血圧治療薬バルサルタン(ディオバン)の効果を調べた臨床研究の論文について事実関係を調査するため、ノバルティスファーマ社の元社員がノバルティスファーマ社の身分を明示せず、非常勤講師(無給)としての「大阪市立大学」の肩書を使用していたことについて、5月23日に調査委員会を設置しました。以降、10回の調査委員会を開催し検討してまいりましたが、報告書がまとまりましたのでご報告させていただきます。

1.報告書の概要

委員会では、事実経過の調査のため、学内外の文書や資料の収集を行うとともに、元社員の所属していた産業医学教室の教授と准教授のヒアリング及びノバルティスファーマ社からのヒアリングを行いました。また、元社員がどのような経緯で本学所属の研究者として論文中に記載されることに至ったかを明らかにする目的で、バルサルタンを用いた11臨床研究論文のそれぞれのcorresponding author(責任著者)に対し質問書を送付して、全員から回答を得ました。さらに、委員会としては、事実経過の確認のためには、元社員のヒアリングは必須であると考え、8月1日に本人へのヒアリングを行いました。
その結果、以下の結論に至りました。
  1. バルサルタンの臨床研究への関わりについて、本学は当該臨床研究に一切関っていない。
  2. 本学の肩書きが使われたことに関して、ノバルティスファーマ社、ノバルティスファーマ社元社員、臨床研究論文の研究責任者・論文執筆者のそれぞれに抗議をすべきであると考える。
  3. 一方、許可なしに本学の肩書きが利用された原因の一端は、ノバルティスファーマ社元社員を10年以上勤務形態の実態を確認せず、非常勤講師として認め続けていたことにもあると考える。

2.今後の対応について

  1. 調査委員会の報告・提言を踏まえ、ノバルティスファーマ社、ノバルティスファーマ社元社員、研究責任者・論文執筆者に対して正式に抗議します。
  2. 非常勤講師(無給)の委嘱については、当該委嘱期間中に講義・実習等の具体的な予定が確認できる者のみを委嘱するなどの見直しを図るとともに、非常勤講師全体のガバナンスを強化して、より透明性の高い人事制度を構築し、再発防止に努めます。

調査報告書

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