2013年7月5日金曜日

産経新聞: 降圧剤データ改竄 大学調査委「大阪市大にも責任」 無給講師の活動放置

降圧剤データ改竄 大学調査委「大阪市大にも責任」 無給講師の活動放置

2013.8.23 12:28
 高血圧治療の降圧剤「ディオバン(一般名・バルサルタン)」の臨床研究の論文データ不正操作問題をめぐり、販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の元社員が大阪市立大学の非常勤講師の肩書で研究に参加していた問題で、同大の調査委員会は22日、勤務実態を把握しないまま放置した大学側に責任の一端があるとする調査報告をまとめた。
 報告書によると、元社員は平成14年4月に無給の非常勤講師として採用。25年3月までの11年間で1度しか講義を行っていなかった。また、本来は論文発表の際には大学側の了承を得なければならないが、元社員はまったく届けていなかった。
 有給の非常勤講師の場合は、講義実績などで活動を把握できるが、無給の場合は放置状態で、調査委は「勤務実態がほとんどないにもかかわらず、長期間非常勤講師としていた大学側にも原因がある」と指摘した。同大によると、約430人の無給の非常勤講師のうち23人の勤務実態が把握できておらず、今後、勤務実態が確認できる人のみを採用するよう制度を見直すとしている。
 また、ディオバンに関する論文の著者らに聞き取りを行った結果、元社員はノ社のグループマネージャーと同大非常勤講師の肩書を併記した名刺を持参して面会していたことが判明。5大学の研究者8人中6人が、元社員がノ社の関係者と感じていたと回答した。
 元社員も調査委の聞き取りに対し、「市立大の所属を使うことは論文の著者にもノ社にも都合がよかった。ノ社は黙認していたと思う」と話したといい、大学側は近く、正式にノ社などに抗議するとしている。

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