2013年7月7日日曜日

毎日新聞: 薬事法違反:容疑で8日ノバルティス告発 厚労省

薬事法違反:容疑で8日ノバルティス告発 厚労省

毎日新聞 2014年01月08日 07時30分
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、データ操作された試験論文を違法に宣伝に使ったとして、厚生労働省は8日、法人としての製薬会社ノバルティスファーマ(東京都港区)と社員を薬事法違反(誇大広告)容疑で東京地検に刑事告発する。強制的な権限のない行政調査には限界があることから、地検の捜査に実態解明を委ねることにした。
 厚労省は昨年10月以降、薬事法に基づきノ社に関係書類の提出を求めたり、元社員らから聞き取りを進めたりして調査を進めてきた。これに対し、ノ社側と大学側の双方がデータ操作への関与を否定、ノ社への立ち入り調査は見送られた。
 厚労省は関与した社員を特定しておらず、容疑者名不詳として告発状を提出する見通し。国が個人名を特定せず告発するのは異例だが、捜査で全容を解明しなければ日本の医薬研究の信頼回復は困難と判断した。
 薬事法は虚偽や誇大表現を使った医薬品の広告を禁じており、違反した場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。
 関係者によると、ノ社は2011〜12年、データ操作された東京慈恵会医大と京都府立医大の臨床試験の結果を広告記事やPR資料に使い、バルサルタンの効能や効果を広告した疑いがある。いずれの試験も元社員が肩書を伏せてデータ解析に関わった。【桐野耕一】
 【ことば】バルサルタン臨床試験疑惑
 ノバルティスファーマの降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)に、血圧を下げるだけでなく、脳卒中予防などの効果もあるかどうかを5大学が臨床試験で調べた。ノ社は各論文を宣伝に多用したが、試験にノ社の社員が関わり、データ解析などを担っていたことが2013年3月に発覚。京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大の調査では、ノ社に都合が良い方向にデータ操作されていたことが判明した。




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