食品・医薬・繊維
「バルサルタン」の論文捏造-“規定の過渡期”再検証急げ
掲載日 2013年08月01日
ノバルティスファーマの高血圧症治療薬「ディオバン」(一般名バルサルタン)の臨床研究にデータの捏造があったと社会問題になっている。問題点はデータ捏造の有無とノバルティスの社員が所属を隠して論文のデータ解析を担当したかの二つ。データ捏造は論文とディオバンの治療効果の真偽が問われ、後者は製薬会社と医学研究者との利益相反のモラルが問われる。(小寺貴之)

記者会見で謝罪する二之宮義泰ノバルティスファーマ社長(7月29日)
高血圧症治療薬は服用患者が多く、市場規模は1兆円と国内最大だ。ディオバンはアンジオテンシン受容体ブロッカー(ARB)という作用原理で血圧を下げる。降圧効果に加え、心臓や血管などの保護効果が期待されてきた。ノバルティスも2013年の上半期に世界で1754億円を売り上げた。同社の製品で売上高2位の主力製品だ。
単純に血圧を下げる効果の大きさだけでは差別化は難しい。ディオバンの強みは脳卒中や心筋梗塞などのリスクも下げる副次効果だった。
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