2013年4月30日火曜日

京都新聞:チェック機能、倫理欠如 府立医大臨床試験問題

チェック機能、倫理欠如 府立医大臨床試験問題



血圧降下剤の臨床試験をめぐる問題で、京都府立医科大が、薬効のあるようにデータが操作されていた可能性を明らかにした11日、「悪質で、国民を欺く行為」と批判の声が上がった。大学側は、製薬会社の深い関与をチェックする機能がなかったことや、研究者の倫理意識の低さなどの問題点を挙げた。一方、誰が操作したかは特定できないとして、調査を打ち切る意向を示した。
 「大変なご迷惑、ご心配をお掛けしたことをおわびします」。吉川敏一学長は初めて記者会見し、深々と頭を下げるとともに、給与を返納する意向を示した。
 2時間にわたる会見の大半は、調査委員長の伏木信次副学長が説明した。故意のデータ改ざんの可能性について尋ねる記者に、伏木副学長は「意図的かどうかは認定できなかった」と繰り返した。「調査にも限界があり、誰が(操作したのか)というのは、これ以上大学では調べられない。新しい事実は判明しないと判断した」とこれ以上の調査をしない意向を示した。
 府立医大チームの研究室には、判明しただけで製薬会社「ノバルティスファーマ」から1億円を超える寄付金が渡っていた。伏木副学長は▽製薬会社からの大学各教室への寄付金の受け入れ状況を公開▽臨床研究支援センターを創設して国際基準に沿った臨床試験の立案や審査をする―などの再発防止策を示した。
 大学側は、臨床試験の関係者を処分する方針。データ操作の経緯は分かっておらず、大学側が刑事告訴も視野に弁護士と協議していることを明らかにした。不安を抱いた患者の問い合わせに応じる相談窓口を設置する。
【 2013年07月11日 09時00分 】


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