2013年4月30日火曜日

日刊薬業: ディオバン問題 ノ社元社員、エンドポイント委に出席

ディオバン問題  ノ社元社員、エンドポイント委に出席( 2013年5月28日 )


ノバルティス ファーマのARB「ディオバン」の医師主導臨床試験論文に同社社員が関与していた問題で、京都府立医科大の試験「KYOTO HEART Study」の統計解析担当者として論文に名を連ねていた元社員が、患者の症例が評価項目に合致しているかどうかを判断する同試験の「エンドポイント委員会」の大半に出席していたことが分かった。ノバルティスが日本医学会などに提出した調査報告書に記載されていた。

 同試験のエンドポイント委は、京都府立医大に所属していない外部の医師3人で構成していた。同社の報告書によると、元社員は委員ではなかったが、依頼に応じて委員会に出席し、資料を配ったり、統計に関する委員からの質問に答えたりしていた。委員会の資料は、京都府立医大の試験事務局が作成していたという。

 報告書では、委員会での判断はあくまで医師の専門的判断に委ねられているとし、元社員が委員会の判断に関与したとの記述はなかった。

 同社は2009年9月、同試験の結果について、降圧治療でARB以外の降圧薬を用いた患者群に比べ、ディオバンを追加投与した患者群では、主要評価項目の心血管イベントが45%減少したと発表していた。

 一方、ノバルティスの二之宮義泰社長は27日、社内のウェブ配信を通じて国内のMR全員に対し、ディオバン論文をめぐる問題について謝罪した。「KYOTO HEART Study」の論文内容などをプロモーションに利用していたことについては「社会的責任がある」との認識を示したという。

●製薬協、ノバルティス役員にヒアリング
 日本製薬工業協会は27日までに、ディオバン論文問題について同社のコンプライアンス担当役員らにヒアリングした。製薬協は、同社の内部調査が終了した時点で、あらためて同社から事情を聴き、対応を検討する方針だ。

 製薬協によると、ヒアリングを実施したのは23日。同社が22日にホームページ上で更新した見解と同じ内容の説明を受けたという。製薬協は、同社の内部調査が終了しない段階でも、状況に応じて同社にヒアリングを求める姿勢だ。






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