2013年4月30日火曜日

日刊薬業: 日医 ノ社に社内調査の公表要求、「お手盛り」払拭を

日医  ノ社に社内調査の公表要求、「お手盛り」払拭を
( 2013年5月29日 )



ディオバン問題について会見する日本医師会の今村聡副会長
ディオバン問題について会見する日本医師会の今村聡副会長
 日本医師会の今村聡副会長は29日の定例会見で、ノバルティス ファーマのARB「ディオバン」の論文問題について、同社が医師、患者、国民に対して早急に説明責任を果たすよう求めた。同社の現時点での社内調査について「どういう方が調査したかも分からない」と指摘し、「お手盛り」の調査でないことを証明するためにも調査結果の公開が重要との認識を示した。

 今村氏によると、日医はこの問題について同社から公式な説明を受けていないという。今村氏は、同社が論文内容をプロモーションに利用していたことに触れ、「製薬企業などが不正、あるいは公正性を欠くような関与をすることは断固として認められない」と主張。同社に「襟を正した対応」を要求した。

 またディオバンの2012年国内売上高が約1100億円(薬価ベース)に上ると指摘し、「疑惑のある薬」に医療費から多額の支出があることについて、「極めて重く受け止めなければならない」と述べた。

●大学・学会に第三者交えた調査求める
 今回の論文問題に関係する大学・学会に対しては、第三者が加わった調査を求めた。臨床研究に関わる医師へは、厚生労働省の「臨床試験に関する倫理指針」の順守の徹底を促す考えだ。臨床研究には高い倫理性と公正性が必要だとし、「臨床現場の医師は研究成果を踏まえて医薬品を使用しており、これに疑念が生じていることは患者の健康にも多大な影響を与えかねないことが懸念される」と問題の大きさを強調した。

 今村氏は、医師と論文との関わり方をめぐり▽全ての臨床医が統計的データの読み込みを十分にできているのか▽ノバルティスの力を借りなければ統計処理ができない中で関係者は研究していたのか―といった意見が出てくるのは当然と認め、「そこは大変重く受け止めたい」と述べた。

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