2013年4月30日火曜日

読売新聞:臨床研究に身分隠し参加、製薬会社の上司後押し

製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」を巡る利益相反問題で22日、同社が京都府立医大や慈恵医大で実施した薬の効果を調べる臨床研究について、元社員(契約社員を経て今月退職)の関与を認め、上司もそれを支援していたとする報告書を、日本医学会など3学会に提出したことがわかった。
 両大学から発表された論文は、ディオバンが従来の薬に比べて脳卒中や狭心症を大幅に減らすというもので、年間1000億円売り上げるディオバンの宣伝にも利用されていた。同社は、データが意図的に操作されたかは「確認できない」とした。
 同社の調査を外部の第三者委員が検証した。同社は「国際的な利益相反の基準に照らし合わせて極めて不適切な行為だった」とし、再発防止策の検討を急ぐ。
 同社によると、元社員は、京都府立医大の臨床研究で、研究の要となる患者の症例を確定させる内部委員会などに参加。実際に約3000人のデータがそろうと、解析を一手に引き受け、その結果が論文に使われていた。
 元社員は、同社との関わりを伏せて、論文に名前が出る場合は「大阪市立大」の肩書を使っていた。関係者によると、元社員は同社の調査に対し「自分の解析はあくまで一つの例のつもりだった。実際の解析は医師が行うと期待していた」と話しているという。
(2013年5月23日15時31分  読売新聞)

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