2013年4月30日火曜日

京都新聞: 薬効評価、操作も可能 府立医大の臨床試験で調査

2013年6月7日 京都新聞: 薬効評価、操作も可能 府立医大の臨床試験で調査

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130607000039
http://megalodon.jp/2013-0611-0907-20/www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130607000039

血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験をめぐる問題で、京都府立医科大の試験において、バルサルタンの服用を担当医師が知っているなど、恣意的に薬効を評価できたことが関係者の話から分かった。製薬会社の社員の関与が問われているが、試験自体に問題があるとの指摘があり、府立医大の調査委員会が調べている。
 府立医大の松原弘明元教授が責任者の臨床試験は、高血圧の患者をバルサルタン服用群と非服用群の約1500人ずつに分け、急性心筋梗塞など七つの心血管疾患の発症数を比較し、薬効を評価。「服用群の疾患発症数は非服用群の半数」として、血管保護効果があるとした。
 しかし、患者や医師の恣意的な評価を排する「二重盲検法」でなく、医師も患者もバルサルタン服用を認識している「プローブ法」で行われた。さらに、狭心症、一過性脳虚血発作など医師の診断に左右される疾患も評価基準に入り、医師の主観でバルサルタンの薬効を高く評価することも可能だった。
 府立医大の臨床試験を報告した論文6本は全て撤回されている。うち2本を撤回した日本循環器学会は「データ解析に重大な誤りがある」「論文の基礎データが信用できない」などとしている。
 松原元教授の代理人は「プローブ法に限界があることは論文でも言及しているが、日本の臨床試験で広く用いられている方法だ。二重盲検法にも被験者が集まりにくいなどの欠点がある。一過性脳虚血発作などを評価基準としたのは、既に承認されている薬の効能を幅広く調べるためだ」としている。
【 2013年06月07日 11時59分 】

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