2013年4月30日火曜日

毎日新聞:降圧剤論文:名古屋大も調査開始 社員関与の経緯など

毎日新聞:降圧剤論文:名古屋大も調査開始 社員関与の経緯など

毎日新聞 2013年05月24日 02時40分(最終更新 05月24日 07時22分)
 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験に製薬会社の社員が関与していた問題で、名古屋大が23日、同大チームによる臨床試験の事実関係を調査し始めた。社員が統計に関わった経緯や、会社側から提供された奨学寄付金、試験データの精度を検証する。調査は、4人態勢で始め、3週間以内に調査委員会を設置するかどうかを判断する。バルサルタンの臨床試験をした5大学すべてで調査が決まった。
 バルサルタンを販売する「ノバルティスファーマ」(東京)は22日、5大学の臨床試験の統計に社員が関わりながら、論文で社名を明かさなかったことを「不適切だった」と謝罪したが、関与の詳細は明らかにしていない。
 同大チームの臨床試験は2004年に開始。血糖値を下げるインスリンの効きが悪い高血圧患者を対象に、心血管病の死亡率を下げる効果を検証し、12年に発表した。
 名古屋大執行部は研究チームの責任者から、論文は製薬会社に都合のよい内容ではない▽社員には解析結果を確認してもらっただけ−−との報告を受けているという。高橋雅英・医学系研究科長は「奨学寄付金を受けていたこともあり、改めて問題を精査したい」と話している。
 一方、東京慈恵会医大チームの論文を掲載した英医学誌「ランセット」が、同大に対し、学内調査の見通しを問い合わせていたことが分かった。この論文は、京都府立医大の論文とともに薬の宣伝に使われてきたが、専門家から試験結果に疑問が出ている。【河内敏康、八田浩輔】


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