2013年7月8日月曜日

時事通信: 高血圧薬研究「会社が関与」=薬事法違反の可能性指摘―データ操作者不明・厚労省委

高血圧薬研究「会社が関与」=薬事法違反の可能性指摘-データ操作者不明・厚労省委

 製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)の効果を大学が調べた臨床研究にデータ操作があった問題で、厚生労働省の有識者委員会が「ノバルティス社が(研究に)関与していたと判断すべきだ」とする中間報告案をまとめたことが、26日分かった。誰がデータを操作したのかは「現時点では不明」と断定を避けたが、同社の宣伝を「薬事法が禁じた誇大広告に当たる可能性がある」と指摘し、強制的な調査による実態解明が必要とした。
 30日に開かれる委員会の会合で議論し、最終決定する。厚労省はこれを受け、行政処分や刑事告発も視野に、立ち入り検査など薬事法に基づく本格的な調査に乗り出すとみられる。
 同社は7月に発表した報告書で、5大学が行った研究に、社員(退職)が統計解析を担当したり論文の一部を執筆したりするなど深く関わったことや、一部の上司が関わりを認識していたことを認めたが、社としては把握していなかったとした。
 これに対し報告案は、同社が研究と同時期に奨学寄付金を大学側に渡し、社長や本部長が寄付金の決済をしていたことや、研究に関わった社員を上司が大学側に紹介していたことなどを根拠に、「社員一個人が関与していたというより、実態としては会社として関与していた」と判断した。
 関係者によると、社員は委員会の聞き取り調査にデータ操作を否定。責任者の営業本部長(同)も、操作を知らなかったと話した。同様に大学側も操作を否定した。このため報告案は、データの操作者や指示の有無などについては明言せず、「会社が操作に関与したかは現時点では不明」と記載するにとどめた。
 ただ、データ操作された論文を用いた同社によるディオバンの宣伝に関しては、「善意の第三者の立場だったとは言えない」と述べ、誇大広告の恐れを指摘。「権限を有する者による実態解明を進め、厳しい対応を図るべきだ」と国に促した。
 報告案はまた、再発防止のため来年秋をめどに、臨床研究を規制する法律の制定を検討するよう提言している。(2013/09/26-22:01)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092601062

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