2013年4月30日火曜日

毎日新聞: 降圧剤不正:データ解析担当の元社員、大阪市大調査も拒否

降圧剤不正:データ解析担当の元社員、大阪市大調査も拒否

毎日新聞 2013年07月12日 15時00分


 降圧剤バルサルタンに血圧を下げる以外の効果もあるとした臨床試験疑惑で、京都府立医大の試験に「大阪市立大」の肩書で加わり、統計解析していた販売元製薬会社ノバルティスファーマの社員(既に退職)が、過去に非常勤講師を務めた大阪市大の調査にも応じていないことが分かった。大阪市大は、疑惑が表面化した5月以降の調査で、元社員に大学での勤務実態がほとんどなかったことや、大学としては試験に一切関わっていなかったことを確認している。元社員は府立医大の調査への協力も拒んでおり、真相究明の大きな障害となっている。
  大阪市大によると、元社員には2002年から今年3月まで1年ごとの更新で非常勤講師を委嘱していた。この間、講義は1〜2回程度しかなく、勤務実態も報酬もなかったが、大学側は「統計解析のアドバイスができるので担当してもらっていた」と説明する。
 大阪市大は、バルサルタンを巡る5大学の臨床試験に、元社員が関与していたことが明らかになったことを受けて調査を開始。大学によると、ノ社に協力を要請したが、「既に退職している。居場所を把握していない」などの理由で取り次いでもらえなかったという。その後も大学は、元社員と連絡が取れず、聴取のめどは立っていない。
 ノ社の調査によると、元社員は一連の臨床試験が行われた02〜07年、循環器マーケティング部門の学術企画グループに所属していた。医師に学術情報を提供して支援する部署だった。研究チームにはノ社の別の社員が「統計の専門家」として紹介していた。

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